当ブログで武雄の図書館の話は耳目を集めているのだが、通年レベルでView数を地道に集めているのは…実は図書館の集客の話である。
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これは2016年の本稿執筆時点でのアクセス数だが、Google検索結果でまんまと上位に紛れ込んだ川口市の図書館の記事、昨年海老名の図書館と同日に開業したにも関わらず、みんな海老名の間違い探し行ってしまったんで武雄問題関連クラスタの訪問者が少なく、結果的に目立った「桶川市の本プラス+訪問記事」が上位に来るのはやむないところであるが、三位はなんと図書館の利用を増やすには…なのだ。

思えば、武雄に始まった「スタバと蔦屋書店併設で来客数がっぽがっぽよ!」作戦は順調に衰退を続けていると言って良い。まだ数字が出る前の段階ではCCCやひわたん(武雄市前市長かつ前回の佐賀県知事選で大爆死を遂げた樋渡氏)のハッタリや虚言に騙されて騙される人も多数存在した様だが、本ブログにて統計資料をまとめた幾つかの記事を用意しているので、是非とも参照して戴きたい。特に珍しい資料を使っている訳ではなく、私が参照しているのは極めて一般的な…少し高額ではあるが、「普通の図書館であれば、まぁ置いてあるんじゃないかな」的な一般的なものである。疑わしいと思ったら自分でも調べてみると良いぞ。

で、スタバ併設がコケるのは個人的には喜ばしい事ではあるが、困った点も存在する。
図書館の集客に関する言及がここまで耳目を集めている背景には、やはり図書館に思うほど人が来ていないという問題点が存在することの証だろう。例えばスタバを併設するだけで図書館来訪者がどんどこ増えるなら、正直図書館人が図書館を喧伝する為にスタバと言わなくともタリーズやドトール誘致したくなってしまうかもしれない。ツタバ式がこけるというのは「来訪者を夢の様な方式でありえない程増やす方法」がコケたのと同義であるのだ。まぁ、夢でしょうなぁ。

この段階で図書館人であれば「やっぱ地道にやるしかないのねそーなのね…」とうなだれながら本の装備をしたり、カートを押しながら本を書架に戻したりするだろう。彼らは私がこの先に書くことを大体知っているはずだ。すまん、またみんなには当たり前の話を一般層に語って聞かせる系なんだ。ごめん。

だが、図書館を賑やかにしたいとか企んでる地方議会議員や首長、そしてその中でもとりわけ「頭が悪く文化的素養もなく、かっぺ丸出しの票だけは集められる連中」に於いては、相変わらず夢を夢見てほわんほわんしつつ、図書館活用して町おこしだ!とか寝言をほざくのであろう。

今からその幻想を叩き壊すので覚悟しろ。

今は昔、図書館や本が大好きで大好きでたまらない30代ぐらいの連中が、これからの図書館はどうあるべきかと激論を交わし、数年かけて各地の図書館に足を運び、夜更けまで禿げ上がるほど頭かきむしって出した一つの結論がある。彼らはCCCの増田とかひわたんとかを上回る事一兆倍ぐらいのゼットンもびっくりするぐらいの図書館に対する熱量を持っていた事だろう。

その結論が「多くの市民にとって、図書館とは身近にある市町村立図書館である」

まず基本としてここを抑えなければならない。そして彼らの言葉の裏を探らねばならないのだ。上記の結論には「普通の人はなんか優れた機能があっても遠方の図書館に足しげく通ったりしないだろう」という諦観が存在するのだ。その諦観を無理矢理アグレッシブかつポジティブに捉えて彼らの論は続くのだが、ゼットンもビビる熱意を持つ図書館大好き人間ですら「図書館目当てで遠出する奴はそんなに居ないだろう」と判断しているのに、何故に昨今の「図書館分かっていない人々の図書館振興案」「図書館で人を集める」になってしまうのか。この50年で図書館を取り巻く環境そんなに激変したか? 図書館で町おこし計画する地域ではこの50年間でなんか魔法の如き図書館利用教育施して、図書館行かないと死ぬぐらいの図書館ジャンキーとか図書館ゾンビ量産したのか?

図書館分かってない議員団の奉じる「武雄の図書館」においても、来訪者の多くが図書館の図書館機能を褒めず、内装が格好良いだのスターバックスが嬉しいだの言っているのはご存知の通りだろう。それどころか彼らも正直に50年前の推論/判断を裏付けるかのように「こんな図書館が近所にあったら通いたい」と言っているではないか! 近所に無ければわざわざ行かないし、それ目当てで遠出するのなんか最初の一回が良いところなんだよ。武雄のツタバを肯定的に扱う人でも取り上げる上記の様な発言の「底意」を考えなければならない。

近所にあれば…と言っているのに、生活動線上から離れた「賑やかにしたいが現状賑やかではない」場所にこの手の図書館設置しても最終的には行かなくなる。順序的には賑やかにしてから図書館を設置すべきである。
便宜上図書館と書いてはいるが実質雑誌が読める喫茶店なのだから、そんなもんの為にわざわざ交通費を払い、ひーこら自転車こいでやって来る人が多数いると考えるのがそもそもの間違いである。浦和のさいたま市図書館も川口の中央図書館も現在大変賑わってはいるが、図書館でにぎわいを創出したのではなく、賑わっている場所…多数の市民が元々存在し、交通の要所として利用するポイントに使いやすい図書館作ったから図書館が流行っている。先の両図書館共に年間利用者数は100万人を「アベレージで」突破しているが、それは圧倒的な住民数と京浜東北線などで都内に通勤する人々が山ほどいるから達成できているに過ぎない。事実、予算配分的にもアレではあるし、共用施設だったりサイズが大きくないのもあるが…川口市の戸塚分館とかは善戦してはいるものの中央図書館を凌ぐほどの活躍は観測できていない。

では、なぜ戸塚分館はそんなにイケてないのに予算使って維持するのか?
簡単な話、なんぼ川口市民が川口駅使うと言っても市民の8割とか使ってる訳ではない。川口市民58万の内川口駅使うのは8万だか9万に過ぎない。通過する人間含めても市民の半分も使っていないと思う。

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京浜東北線を利用している人々であれば、川口駅から歩いてすぐの中央図書館は使い易くはあるだろう。しかし東川口駅周辺の「旧戸塚エリア」からは川口に出るのめんどくさいのだ。先に挙げた通り、どんなに川口の中央図書館がイケてても、それを利用したいが為だけに川口駅までのこのこ出て来れる人間は少ない。逆説的に「そのエリアに簡単にアクセスできる人数」がそのエリアにある図書館の利用者数を左右するパラメーターになるという事だ。だから戸塚ほったらかしにして資源を川口駅前の図書館に集中させても「そのエリアに簡単にアクセスできる人数」が変わらないのであればそんなに極端な影響は及ぼさない。図書館の利用者を増やす為には「市内のどの場所に住んでいても、簡単に立ち寄れる図書館が近くにある」もしくは「遠隔地だけど図書館の車が一定周期でやって来る」というアウトリーチを増やす方が合理的である。実際川口市の地理に詳しい方であれば、上の図書館配置図を見てどの辺の街区の人々を利用者として想定しているか理解できると思う。

まさか居ないと思うが、ゴージャスにしたらそれだけで人が沢山集まり図書館も勝手に流行るとか、喫茶店みたいな流行り廃りの早い施設で継続的に利用者を集めるアドバンテージが取れると思っている奴はおるまいな?
一点豪華主義で本館だけゴージャスにしてその他廃館とか規模縮小…この辺の方策は元の図書館機能がよっぽど悪いのでなければ悪手である。

という事で、今回のまとめ。
図書館で集客は、無理。つーか図書館は栄えてる所とか人の集まるポイントに作るべきで、それで集客とか言い出すのはバカ。図書館以外に集客施設を求め、その集客要素がモジュール式ですぐに入れ替え可能な方が楽でしょうな。どんなものにも流行り廃りはある。文化施設の話するのに「たけきものもついにはほろびる」とか完璧に忘れてるバルバロイは居ないよね?

今回書いてるネタなんて、正直図書館関係者から見たら「またそれかよ!」クラスの話でしかない。それを知らない、気付けない、気にしない、つーかアホはそもそも図書館関係弄るのに不適切であるので今すぐ図書館に走って司書や図書館館長(ただし、お飾りはダメだ)に話聞いて来い。そんな連中には図書館の視察なんざ100年早い。政務調査費の無駄だから領収書の整理でもしてなさい。

2016年12月追記

実際私のしょーもない記事が皆様の真摯な問い合わせに応えられてない気がするので、近年発見したBlog記事などを紹介してみたいと思う。

上尾市中央図書館基本構想を読む前に知っておきたいURBとは-7

上尾市図書館要覧と図書館の利用度を示す評価指標 -6

上記は上尾の図書館移転に際して市井の方が記載したと思われる記事なのだが、大変面白いので皆も読むといいよ!

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