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アイキャッチ画像はフリー写真素材 フォトスクさんからお借りしました。

さて、図書館で何か調べ物をする際に、或いは読み物を探す際に「本を探す」ことになるかと思う。何度も重ねて言うが本ブログは図書館振興ブログなので図書館の使い方も語るのである。今日は図書館の使い方に関するお話から始まるのだ。

一応図書館内には生物だの哲学だのの分類が存在し、棚見ればどこにどんな本があるかが分かるようにはなっているし、少しイイ感じの図書館だと蔵書検索システムが設置されていることもある。蔵書検索システムは本のタイトルとか著者名でさっくり電子検索をし、その結果をレシートみたいなのに印刷して本を探しやすくしてくれるので大変便利なんである。

んでだ。
どこの首長さんかもう忘れてしまったのだが、首長してたら首刈られたというか、自分からギロチンに首を差し出して首長ではなくなっちゃった人が昔「今の図書館だと釣りは芸術の棚にあるんですよ!」とか言って怒ってた気がするのだが・・・・
今日は図書館での書籍分類法についてお話をしてみたい。

あの分類法はNDC(日本十進分類法)という方式であり、その分類詳細はこの辺で確認することができる。
実際に70番台の「芸術・美術」項目を見てみると、大分類の780番台が「スポーツ・体育」に分類されており、その中の「787番」が「釣魚. 遊猟」である。確かに釣りは大項目としては「美術・芸術」に分類されているが、正確には「美術芸術分類の中のスポーツ、体育関係として『釣魚. 遊猟』という形で体系付けられている」のである。

釣りと言ってもスポーツや娯楽としての釣りだけではなく、漁業としての釣りもある。カツオの一本釣りなんかはスポーツじゃなくて水産業だよね。私の愛用図書館である川口市の図書館では「カツオ一本釣り 黒潮の狩人たちの海上生活誌」という本は664.63、つまり「漁労. 漁業各論」という分類にある。NDCで660番台は水産業で、大分類は産業だ。スポーツとしての釣りと漁業としての釣りは実は分類が別なのである。

例えばここで、バスフィッシングの本を探すとしよう。最初にアタリを付けるのは蔵書検索システムでもいいし、NDC分類が分かるなら「バスフィッシングはスポーツだよな」とゲイジツ棚から探し出してもいい。司書さんに聞いてもいい。レファレンスカウンターで聞くと「バスフィッシングのどんな本がいいですかね?」みたいにもう少し踏み込んで教えてくれるかもだ。
んで、調べたらバスちゃんは意外と障害物の多い所が大好きで、釣り師の腕がヘボいとルアーやワームが根係してロストしまくる可能性が高い事を知ってしまうかもしれない。
燃え上がる釣りへの情熱は冷めやらぬがバスは少し難しいのではないか・・・・と思った場合、バス釣りの本の脇の方には「同じようなスポーツフィッシングに分類される本」が沢山並んでいることに気が付くだろう。ヘラブナに目標を変えてもいいし、トラウトをフライフィッシングで狙っても、スプーンで狙っても、餌釣りで狙ってもいい。同じ分類項目の中には近所の釣り場の本も並んでいるかもしれない。
書籍を読んで色々考えた結果、釣りはやっぱアカンという事になることもあるだろう。
その場合また少し視線を水平、或いは垂直に動かすと、同じ分類項目である「遊猟」や、隣の分類項目である戸外レクリエーション(NDC分類 786で 釣り関係は787だ)が目に付くかもしれない。

図書館での配架は、この様に大分類から小分類へ「似たもの」を並べるようになっており、関心を持っているそのものズバリから少しづつ視点をずらしていくと近傍の知識が取得できるように設計されているのである。ただ単に釣りというカテゴリーで分類するとカツオの一本釣りもサビキもアユの友釣りも同じ分類になってしまう。漁業としての釣りを調べたいのに(どう考えても出版点数が違い過ぎるから)延々アユだマスだバスだとスポーツフィッシングの項目見せられる事も減るのである。カツオの一本釣りを諦めてタイの一本釣りを狙うにしても、関連書籍の見つけやすさはNDCの方が勝るだろう。

私の場合、近年は図書館関係の書籍を図書館で読む事が多いのだけど、図書館棚に行って先ずは010系統あたりから読み始め、本の中で同じ図書館関係の資料がポイントされるとまた書架に戻って本を探し、015とか016を中心に色々手を出して読んでみている。幸いにも昨今人気らしい「図書館戦争」シリーズは913だからそれらが混ざってしまって検索性が悪い書架になる事は無いのだ。

この様にして図書館内の配架というのは「近傍知識を書架のブラウジングをしながら調べていける」配架方式であり、本屋の配架に慣れていたり「特定の本が読みたい!」層にはあまり利便性が高くないのだ。特定の本が読みたいなら蔵書検索システムを使う方が良いし、むしろそういう用途に合わせる意味もあって蔵書検索システムとか置いているのではあるまいか。

本人の名誉の為に敢えてひわたんとは書かないが、「今の図書館だと釣りは芸術の棚にあるんですよ!」などと言い出すあたり、当該人物は図書館を調べものに使ったりする事は無いのであろう。あの配架は「生涯学習施設として、調べ物をするのに便利」な物であって、そうでない場合には残念な事に使い勝手が良いとは言えない部分もあるのだ(特に、NDC分類の意味が分からぬ人であれば猶更だろう!)

おまけコーナー
図書館での調べ物の仕方、資料の探し方に関しては以下の本に詳しい

図書館で調べる (ちくまプリマー新書)
高田 高史 著
ちくまプリマー新書は町の本屋さんだと扱いが少ないけど、これ凄く読みやすかったよ。初学者におすすめー

図書館に訊け! (ちくま新書)
井上 真琴 著
今度読もうかと思ってる。リンク探すためにAmazon引っ張ったら著者紹介のところに

「1962年京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。「図書館の隠密」を志し、」

・・・・隠密司書 心得之條 我が命我がものと思わず 文門之儀 あくまで陰にて 己の器量伏し 御下命 如何にても果す可し 尚 死して屍拾う者無し 死して屍拾う者無し・・・・か(笑)

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