タグ

,

さて。
本Blogは本ブログであるので実は本を皆に読んでもらうことを念頭に置いて記述している。
特に昨今では武雄の図書館の批判とかその辺が耳目を集めがちである。ウチのBlogでもそこにアクセスが集中するのでなんともはやである。

んでは顧客ニーズを満たしながら少しづつこちら側に引っ張り込もうかと思うわけで。

んでですね。武雄の図書館の批判批評の際に「基礎となる知識」が必要だと思うんですよ。現代の図書館がどのように成立したかとか、何を目指しているかとか。この辺割と重要な知識でありながら、司書課程とか取ってないと知らんのが当たり前みたいな感じですしね。

で、まず最初に取り上げるのが「中小都市における公共図書館の運営」って本。中小レポートの略称で呼ばれることが多い。私も図書館の事を調べていく過程でいろんな図書館本にこの書籍のこと記載されているので、一回読んでみたことあるんですわ。閉架収蔵だったんで出してもろたんだけど「中小レポートってありますか?」でマッハ理解してもらえたので中々スゴいなと。

中小レポートの紹介文は この辺 をご覧頂くことにしよう。

このレポートは当時30代の人らが中心になり、あちこちの図書館を回り、あちこちで議論し、それでいて結論が出ないから「こんなもんだろ!」的になんか断定してしまったという恐るべきレポートなのである。特に白眉なのが

「市民にとって図書館とは、自分の町にある自治体運営の、ふつーの図書館である」

という見解を示したところ。それまでは図書館ちゅーのはピラミッド式の集権構造を持っていて、国立国会図書館が一番エライ的なイメージだったらしいのだが、多くの市民(日本国民=大体中小規模(人口5万から20万人都市)の自治体に住んでる)にとって、図書館とは市町村立図書館の事であり、ここをしっかりしないと図書館振興しないと図書館全体が盛り上がらないと「言い切ってしまった」のである。そしてその視点から市町村立図書館に求められる基準を打ち出したのである。

先の「 この辺 」にも記載があるが、この「言い切っちゃった」レポートの実践となったのが東京都日野市の図書館である。セオリーに従って図書館振興したらやたら成功したのである。

その後「市民の図書館」が上梓され、もうこれっきゃない、イケイケドンドンで確信を掴んだライブラリアンが仕掛けたのが「浦安市立図書館」である。図書館開始前にピッカピカの本をしこたま積んだ移動図書館に「当時の市長」を連れて団地に貸し出しに行き、ものすごい勢いで本が貸し出されていく様を見せつけて予算を獲得したという伝説の図書館である。

内容的にかなり被る部分はあるが、この中小レポートと市民の図書館の2冊が1970年代以降の図書館像を決定付けたと言っても過言ではない。また、理論だけではなく実証試験を経て「ある程度有効である」と認識されたものなのだ。

その書籍の中で「5万人から20万人規模の自治体の図書館こそ、市民が一番利用する図書館であり、公立図書館の全てである」と断じた点は注目に値する。つまり、武雄市(人口5万人規模)の図書館は単なる一「田舎」のショッパイ図書館ではなく、武雄の市民に愛されてなんぼ、市民に使い倒されてなんぼの図書館であると。また、愛される図書館とは徒歩で、或いは自転車で気軽に行ける距離の図書館であり、遠方の図書館ではない・・・・という部分にも着目するべきだ。どっかの市長は遠隔地からも大勢来てると自慢するが、訪問して好意的な「お客」の感想が「近くにあったら使いたい」である点を思い出して欲しい。なんぼステキ(に見えても)、遠隔地の図書館にそうそう足を運ぶものではない。奇しくも多くの人々が「遠いからそんなには来ないかも」と言っているのに等しいのだ。

奇しくも開店2年目にして客足が鈍化しているという事だが、市民の方を向かずに遠隔地からの観光客を見て、外観に凝って資料費を圧縮し、しょっぱい蔵書構成となった武雄市スタバ図書館は半世紀前から衰退することを予見されていた残念施設なのである。

図書館運営するのに図書館に対する基礎知識がないというのは、残念なことですなぁ。
せめてCCCにこの本読んだ人が一人でもいれば・・・・もっと言えば樋渡佑介氏が図書館改革に当たり、これらの本を読んでいてくれたなら・・・・と思わずにはおれない。

広告