タグ

好きな作家なので続くかも

アーシュラ・K・ル=グウィンという作家がいる。

父はカルフォルニア大学バークリー校の人類学教授。アーシュラばーちゃんもハーバード大学出てる。
大変学識豊かな家庭に育ち、大変困った感じで本、図書館が大好きなお方である。
書き忘れたが、ゲド戦記シリーズの作者でもあり、闇の左手という作品でヒューゴー賞とネビュラ賞(ともにアメリカのSF関係の権威ある賞)を同時受賞している。2000年にはアメリカ議会図書館の Living Legends(作家・アーティスト部門)に選出されている。日本語に直すと「生きる伝説」である。
別名は「西の善き魔女」。

どーだ。中二病だろう(笑)

ばーちゃんのエッセイ集で「ファンタジーと言葉」ちゅーのがある。原題はTHE WAVE IN THE MIND。日本語翻訳版は岩波書店から出てる。この中のエッセイの一つに「わたしの愛した図書館」という小文がある。1997年、ポートランドの図書館の改装祝典でのスピーチだそうな。

短い文(6P)なので、図書館に行ったときについでで良いから読んでみるといい。アーシュラばーちゃんの図書館Loveっぷりが存分に発揮されている名文(迷文)だから。

小文中で、彼女はこう語る・・・・

図書館は共同体にとって、焦点となる場所、聖なる場所です

つかみがこれ。
図書館開店おめでとう文章だから盛り上げてるのかと思うと・・・・どーにもアゲる為にこう書いてんじゃなく、マジでそう思ってるような・・・・そんな記述が続くのだ。
「カルフォルニア、セントヘレナの図書館に子供のころよく通い、子供向けの本を読み尽くしたので大人の本を読む事を許された」
「兄とチャンバラやって出てくる台詞がロビン・フッド」
「中学時代に分厚いダンセイニの伝記を借りるため、聖遺物でも掲げるかのごとく恭しく司書に本を差し出した」
そしてハーバード大学に入学。その辺りを引用してみよう。

 自由とは何か、についてのわたしなりの定義を申し上げます。自由とはワイドナー図書館(引用者注:ハーバード大学の大学図書館です)の書庫入室特権のことです。
あの尽きることなく書架が並んでいる信じがたい書庫から出てきたときのことを思い出します。歩くのもやっとでした。何しろ、25冊からの本を抱えていたのですから。でも、わたしは空を駆けていました。振り返って、図書館の幅の広い階段を見上げた時、これこそ天国だ、とわたしは思ったのですこれがわたしにとっての天国です。世界中全ての言葉があり、それをわたしが読んでいいのだ。ついに自由になった、神よ、ついに自由だ!(黒人霊歌より)
わたしがこうした言葉を軽々しく引用していると思わないでいただきたい。本気で言っているのです知識はわたしたちを解放します。芸術はわたしたちを自由にします。偉大な図書館こそ、自由なのです。」(ファンタジーと言葉、P.35より引用)

で、この後に軽く図書館民営化(民間委託じゃなくて、民営化、らしい)の批判なんかがちょろっと、ほんのちょろっと出てくる。

図書館の妖精だったであろう少女時代。彼女は高校の近くの図書館で心の安寧を護ったという。
くもの巣のある図書館の読書コーナーでシナノ ド ベルジュラックを読んで泣き、ヴォードレールを読んで泣き、泣いて泣いて泣きまくったのだそうな。彼女にとって図書館は本の世界に旅立つエアポートであり、主軸は本。上記のハーバード大学の図書館に関する言及は、綺麗だとかそういうのではなく「尽きる事なき書架の中に、世界中の言葉が詰まっている!」である点にも注意したい。本さえあればこの人かなり幸せな人なのよ! 図書館にツタヤ併設したいと言えば「ふざけるな、本を増やせ」と言うだろうし、スターバックスを中に置きたいと言えば「その分書架を置きなさい」と言うであろう。
生きた伝説はさすがに半端ないのである。

広告